BOOK OF OZAKI_第一章
BOOK OF OZAKI_第一章
BOOK OF OZAKI第一章は、尾崎豊四天王の前史を記す。四天王が現れる以前、尾崎豊の遺したものがどのように受け継がれ、変質し、やがて四つの異なる継承の形へと枝分かれしたのかをたどる。
継承の芽生え
尾崎豊の死去から数年、彼の音楽は決して忘れられることはなかった。しかし、継承の形は一様ではなかった。ある者はその声を、ある者はその歌詞を、またある者はその生き様を——それぞれが尾崎豊の異なる断面を掴み、自身の表現へと組み込んでいった。
初期の継承者たちは互いの存在を知らず、各地で独自に尾崎豊と向き合っていた。
四つの継承の型
声の継承
尾崎豊の声——かすれと張りが混在する独特の发声——を最も重視した系統。正井雅人はこの系統の頂点に立ち、「尾崎豊になってしまった」と評されるまでに声を近づけた。彼の歌は、聴く者に「尾崎豊がまだ生きている」という錯覚を与えた。
精神の継承
尾崎豊の歌詞に込められた反骨と自由への渇望を継承した系統。庭田昭二はこの系統に属しながらも、より前衛的な音楽表現を追求した。精神の継承者は、音そのものよりも、その背後にある思想を重視する。
匿名の継承
顔を出さず、声を変え、尾崎豊の音楽から「個人」という要素を取り除いた系統。runny…(CHEESEとMOUSEY)はこの継承の形を極限まで推し進めた。誰が歌っているのかではなく、何が歌われているのかが重要だとする立場。
拡張の継承
尾崎豊の型を破壊し、まったく別の表現領域へ接続しようとする系統。ROKSTARはこの継承の最先端に立ち、パンクロックを基盤にしながらも、MCでの発狂や涙といった従来のロックの枠を超えるパフォーマンスを展開した。
四天王以前
四天王が現れるまでの間にも、尾崎豊の継承を試みた者たちは存在した。しかし、それらの試みは記録に残されることなく消えていった。BOOK OF OZAKIが記録するのは、消えなかった者たちの物語である。
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